いい文章ってなんだろう

こんにちは、wandervogelのくりもときょうこです。


いい文章とは?

難しい問いですね。

ひと口に文章といってもいろいろなので、今日はプロではなく一般の方が書く文章に絞って書きたいと思います。


いい文章は、「読みやすい文章」と「味わいのある文章」に分かれると思います。

まずは、わりととっつきやすくて汎用性の高い「読みやすい文章」について考えてみるとしましょう。


文章を書くのが苦手だ、という人は案外多いように感じます。

幸い、わたしは文章を書くことに苦手意識がなかったので、なおさらそう感じるのかもしれません。

(自分がたやすくできることは、他人も同じようにできるのだろうとつい考えてしまってイケマセン)


苦手でも、仕事で報告書、企画書等で文章を書く必要に迫られることはあります。

お子さんがいる方は、保育園や学校の先生に「〇〇をテーマに書いてください♪」とにこやかに迫られてアタフタした経験が一度や二度あるはず。

自営業やフリーランスの方は、プロフィールひとつとっても、自分をどう表現すれば人の心を掴むのか、悩むこともあるかもしれません。


勤めているときは、就活中の学生さんのエントリーシートに目を通すことが何度もありました。そのときに気づいたことは、一般の方が「読みやすい文章」を書くときにも参考になるのではないかと思うので、いくつかご紹介します。


 1.書きたいことを箇条書きして、ざっとでいいので展開(構成)を考えてから書く

 2.ひとつの文に入れる内容は一つ。多くても二つにとどめる

 3.改行を意識して入れる

 4.抽象的な言葉、修飾語や形容詞の使い過ぎに注意

 5.具体的なエピソードを絡めると印象に残る文章に

 6.言いたいことは「I(アイ)メッセージ」で

 7.書いたらかならず読み直す。時間があれば一晩おいて読み直すとベスト


文章術はちまたに溢れているので、今さら感もありますが……。

いずれにしても、ダイエットと同じで極端な考え方や奇抜なテクニックは必要ありません。


1.は、わたしが就職活動で小論文を書くときにやっていました。いきなり書き出さず、最初の5分は原稿用紙の端にメモを書いて構成を考えていました。今はパソコンで書きますから、とりあえず箇条書きで思いつく内容をババッと書き出して、その順番を入れ替えて膨らませていけば文章になっていきます。消しゴムで消さなくていいなんて、楽ですねぇ。


2.一文が長くなればなるほど読む人は迷子になります。文章のねじれも起こりやすくなり、読みにくさ倍増なので良いことはほとんどないです。ただ、あまりにぶつ切りにしてしまうと文章の「流れ」や「リズム」がなくなってしまいます。余裕のある方は、文末が「~です。~です。~ます。」という具合に一本調子になっていないかどうかもチェックしてみてください。


3.は、一般の方の文章でよくある落とし穴です。改行がほとんどないというのは、実は地味に読みにくさを演出してくれます。内容が変わるところで改行を意識して入れてあげましょう。電子メールの文章も、改行をうまく使うとグンと読みやすくなりますよ。


4.と5.のうまくない実例は、エントリーシートでよく遭遇しました。エントリーシートはとりわけ、自分を良く見せる必要があります。大きく見せたいという欲も出てきます。そうすると不思議なことに、自分の言葉ではなく既視感のある、紋切り型の、手あかにまみれた、陳腐な言葉がどんどん出てきてしまうんですね。

わかりやすいバロメーターとしては、漢字の熟語が多くなります(笑)。

もしそうなっていたら、「この言葉はもっとわかりやすく言い換えられないか?」と立ち止まってみてください。 

また、文章を陳腐にしないためには、「自分が体験した具体的なエピソード」を書くのが一番です。自分が体験したことは、自分だけのものですからね。どんな小さなことでもいいんです。例えば、ボランティアをしました(そういう人、いっぱいいますよね)。他人と自分を分けるのは、そこで何をして何を感じたか、です。特に、「何を感じたかとそのきっかけ」で驚くほど個性が出ます。
うまいエッセイが参考になります。ちなみに、わたしが小論文の練習をしていたときは、曽野綾子さんのエッセイ集『夜明けの新聞の匂い』を参考資料として使っていました。
自分という人物を伝えるという意味でも、「自分が体験した具体的なエピソード」は実に雄弁に語ってくれますよ。


6.は前項と共通する部分があります。社会問題などの主語が大きいテーマだとやってしまいがちなんですが、自分が社会の代弁者になる文章を書いてしまうことが。そんなときは、主語「私」を意識してみてください。
「私はこう思うよ」「私はそういうのは嫌だな」というように「私(I/アイ)」を主語にして伝える方法を「I(アイ)メッセージ」といいます。人は、特に相手を責めたり注意したりする場面で「あなたはどうしてそうなの?」「そんなんじゃ、相手にされないよ」と「あなた(YOU)」や「みんな(EVERYBODY)」「誰か(SOMEBODY)」を主語にしてしまいがちです。そうするとだいたい反発されて、伝えるという当初の目的は達成できないというオチに。
日本語は主語を省いても成立してしまう恐ろしい言語なので、文章でも主語を意識すると違ってきますよ。


7.は、やっていない人が多いかもしれません。書いているときは集中しているので、ニュートラルに読むことはまずできません。少し時間を置いて読み直すと、冷静になっている分、おかしなところや誤字脱字を見つけやすくなります。
あ、自信のない表現や言葉は、辞書をひくかググるかしましょうね。この積み重ねが脳のシワを増やしてくれますよ。


「読みやすい文章」については、こんなところでしょうか。


では、「味わいのある文章」とは?

わたしは「その人」が出ている文章がいい文章だと感じます。

ただし、味わいがあるかどうかは読み手が(勝手に)感じ取るものです。


あまり考えずにとりあえず書いてしまう、というのが一番ではないでしょうか。

まずは「読みやすい文章」を目指して、どんどん書いてみましょう。






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wandervogel

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